■舞台「荒神」(青山劇場/2005.3)

今年の目標に「昔のことを昨日のことのように語らない」と書いたばかりですけど。
今週末、森田さんの舞台を観に行くんでごあんす。んだもんで、昔の舞台を振り返ってみようかなーということで。旧友は見たことあると思うんですが、自分用にここに置いておきたいので強引にうぷしてみる。
そんな感じで本日は『荒神』を。2005年3月、デビュー10年目にしての森田さん初舞台。





神と人と魔物がまだ袂を分かっていない時代、七つの海の果てにある島国、倭(やまと)を舞台に繰り広げられる痛快娯楽冒険譚。人間に恋をしてしまった魔人役に今回が初舞台となる森田剛が主演。また、ヒロイン役の山口紗弥加をはじめ、テレビや舞台で活躍する豪華キャスト陣が出演。
いつでもない、どこでもない島国、倭の小国蓬莱。新九郎(河野まさと)とつなで(山口紗弥加)兄妹はある海辺で壷を拾う。と、白煙と共に、魔人ジン(森田剛)が現れ「望みを言え」と兄妹に迫る。千とひとつの望みを叶えれば、ジンは壷から開放されるというのだ。「城が欲しい」という兄妹と城に赴くと、そこにはジンがかつて愛した人間の女そっくりの"笑わずの姫"更紗姫(緒川たまき)と、お守り役の風左衛門(田辺誠一)が。姫は、姫を笑わせようと集う者の魂を次々と食らってしまうのだった…。





なんといいますかなぁ。さすが、キャリア十年以上(紆余曲折ありつつ)芸能界の第一線アイドルとして体を張ってやってきた人間の底力を見た、とでもいいましょうか。
われらが森田剛さま、持って生まれたセンター気質、言うなれば赤レンジャー気質に、加えて天性のカンの良さをして、とても初舞台とは思えない堂々とした御姿でございました。


しかも、初舞台で青山劇場、劇団☆新感線、森田さんをイメージした書き下ろし作品。何をとっても、さすが森田さん…!としか言いようが無い。
そのカッコよさに驚いた。驚いた。そして、スモークから出てきた瞬間久しぶりに味わった。


森田剛★身長180センチ現象!!!


(注釈:同日、前から2列目で見た友人の目には、リアルサイズ160センチ「うーん、剛ちゃんミニマム!」と映ったそうなので、多分これは10列目くらいから起こる現象かと・笑)。


とにかく、もう、かっこいいのさねー、森田さん、剛くん、いや、ジン!!!ジン!!!ジン!!!
(しつこいようだが)持って生まれたセンター気質を存分に発揮して、剣を振り回しながら跳びまわり動きまわるその姿に、ハートはキュンキュン、ノックアウト☆真剣鳥肌立ちました。
そして、決めポーズ、後ろに伸ばした手の、自然と立った親指はもれなく森田剛仕様のその姿もまた、とてもとてもかわいらしくてかっこよくて、あぁ、ジン!あなたは本当に冒険譚の主人公だわカッコイイ!お願いジーーーン!出てきてジーーーン!このままアタシを冒険の国に連れて行ってぇぇぇ!と(現在、電波の受信状況--MAX絶好調)。
でも、それにしても「かわいらしくてかっこいい」というのは、冒険活劇の主人公のキャラの必要最低条件だと私は思う。そして、そんな主人公に必要なキャラを、剛くんは見事なまでに兼ね備えていると思う。
そんなこんなで、観劇中、この人、このまま一生冒険活劇して生きていけばいいのにー!って、本当にずーっとそんなことを思っていた。


ちなみに、2回目に観た時は、前日にV5が揃って観劇されたと聞いていた。5人が会場に入って来た瞬間、会場は歓声というよりどよめきだったらしい。
とか書きつつ。実は私、初見が2階A列という高所恐怖症にとっては呪いのような席だったので、この席の時は、正直全然ダメだった(もちろん、剛くんではなく私が)。
大げさに言うと、2階から俯瞰して舞台を見ると、全身が寒くなって生きた心地がしないので、劇団☆新感線だろうがSHINKANSEN☆NEXUSだろうが関係ない、華麗な立ち回りや踊りで評価の高い新感線の芝居を無視、ストーリーも総無視、ずーっと双眼鏡で人物(剛くん、誠一、たまきちゃん)ばかりを追っていた。すんません。ほんとすんません(土下座)。
したら、表情は分かるけど、基本的に話の流れも分かるけど、伏線等は全く分からず、という、舞台を見に来たとは思えない事態に陥っていた(絞殺)。
でも、怖いのよりはマシだとか思い、まぁ面白かったけど、こんなもんかなーって思っていた。ホント失礼しました。重ね重ね土下座。


だから、2回目見たとき(1階10列目)、ビックリしたもん。うっわ、コレ、おもしろいわー!と。(今更何を…笑)。


話には何の無理も無い。伏線絡ませ、素直にストーリーを受け入れられ、笑わせるところは思い切り笑わせ、魅せるところは思い切り魅せ、俳優さんたちの所作ひとつひとつがとても美しく、会話のちょっとしたところにも、ウィットとユーモアがあって。
あまりに色んなところで爆笑している私の様子は、とても二回目観劇の人間とは思えなかったそうだ。一回見ているのに何でそんなに笑える!?と。
だって私、正直、本当に、魔界警察もツボイもドン・ボラーも実は何も見てなかったんだもん…。接着剤?知らない…壷はあんな風に割れたんだね…。だって、ジン様しか見ていなかったんだもん。じゃないと、怖くて泣きそうだったんだもん…。
って、ほんたうにもうしわけございませんでした(土下座)。



話戻って。
でも、その最初に見た時の、2階A列により、ある意味ジンチャンネルにしていたおかげで得た収穫もあった。
2回目の時はそんなことは感じなかったけど、初めて見た日は、まだ日が浅かったこともあり、剛くんは何だか必死だった。
双眼鏡でその姿ばかりをじっと追っているに、大声を上げた台詞回しも、「演技をしている」というより「台詞を追っている」という言葉の方がぴったりと来て、笑顔が出ることもほとんど無く、やっぱり森田剛をしても、舞台ってのは必死になるものなんだなぁ…と、そういう気持ちで見ていた。
中盤過ぎくらいから、話をしている剛くんに剛くん特有の手の動きなどが出てきたりして、あ、やっと余裕が出てきたかな、という瞬間はあったけれど、基本、一生懸命にこなしている、という印象だった。汗だくの顔にも、若干余裕が無いように感じられた。
でもそれが、自分がかつて愛した人間、そして、自分の過ちで魔人にしてしまった、たまきちゃん演じるサラサーディと会った瞬間を機に、彼の表情はガラッと変わった。



彼は。恋に生きる魔人ジンは。
サラサーディと地獄の底で再会し、俺が必ずおまえをここから助け出す、いつかきっと叶う二人の未来、を誓いあった途端、その表情が一変したのだ。
それまでの、少し斜のあった表情が、生き生きとして誇りに満ちた表情、俺がジン様だ!という表情に変わったのだった。



やー、もう、驚いた。本気で驚いた。思わず、双眼鏡落としそうになるくらい驚いた。なるほど、これが森田剛か、と。
初舞台とは思えない堂々っぷりよりも、意外と通る声よりも、この時に一番「森田剛」を感じた。それは多分図った演技とかでなくて、彼の体が勝手にストーリーに呼応した結果であり、DNAレベル(?)で演技をしているんだな、この人は、と。そんなことを思うと、なんかもうやっぱりすごいなぁ、この人は、と。
何度も使うと言葉が軽くなってしまうけど、ホント、天賦の才能だと思う。これは。
森田剛の大人のラブストーリーが見たい!と言い続けている私ですが、その願望がますます強くなりました。はい。この人、恋に生きる、って役をさせたら天下一品だと思う。





そのほかはなんでしょうか。お待ちかね(誰の?)の誠一でしょうか。
つーか、誠一、なんかもうすごい。すごいという言葉しか出てこない。あれに的確な感想をお持ちの方、どうぞ教えてください。本気で。私には分からん。夜道にアレと会ったら、間違いなく泣きながら走って逃げる。
実は、ウチの妹が誠一の奥さんの元旦那とちょっとしたご縁があって、勝手に親近感を持っていた。で、(かなり変わった人である)元旦那を選んだ奥さんが、次に選んだのが誠一とは…うーむ…とか思っていたけれど、やっぱり誠一もかなり変わっている…と痛感する2時間。でも、もはや、何が変わっているかすら分からん。でも、すごい変わってると思う。うーん誠一、ミステリアス(違)。
加えて「剛くんの身長が180cmの時は、誠一の身長は250cmだった」という目撃証言まであり。確かにデカかった…。


そして緒川たまきちゃん。もう、最高ね、この人も。
「(人の魂を食って)おいしいのぉ〜〜〜」と優雅に舞うその姿を見ながら、さすが…こんなこの世のモンとは思えない役ならこの人にピッタリ…と、ある意味感動を持って見ていた。とか書きつつ、たまきちゃんは、剛くん@ジンではなく、誠一と並んだ姿が果てしなくベストカップルと思ったのは私だけでしょうか。人間から魔人になった二人は、本当にこの世のモンとは思えない有様がお似合いでいらっしゃった。って、話に水を差してすんません。


それにしても、剛くん初主演(初出演)舞台が、本当に良い作品でよかった。
今となっては大バンザイ、恋に生きる魔人ジン様サイコホ☆だけど、正直なところ、私は剛くんには舞台をしてほしくなかった。
や、舞台が嫌というより、それにより変な評価が付くくらいなら、剛くんにはそのままの彼の道を進んで欲しかった、というか。(盲目担)


でも、そんなのは、本当に懸念でした。剛くんの力を持ってすれば。っつーか、この子は本当にいろんなものに恵まれた星の生まれなんだと思う。もう、どういう話の流れで書いてあったのかすっかり忘れてしまったけれど、前もどこかで書いた気がするけど、長野くんが剛くんをして言った「森田剛森田剛でしかない」という言葉を今更ながらに実感する。剛くんは、やっぱり期待を裏切らない。そして、剛くんは剛くんでしかない。
ということで、私の中の森田剛信仰レベルがまたひとつ上がりました。


そして、剛くんの舞台出演は、やっぱり十周年の皮切りだったんだなぁ、としみじみ思う(とりあえず、まぁのタップ舞台は脳内から消去)。
友からのメールで知った(ありがとう!)今日のデイリーに剛くんのインタビューが載っていて。その中にブイの記事もあり、10周年いよいよスタート!みたいなことがあって、基本単純だから浮かれています。何度も騙され、また騙されるかもしれない、と2ミリ思いながらも浮かれています。新曲のタイトル、ちょっとおかしくない?だけど浮かれてます。多分、今回も踊らない匂いぷんぷんですが、浮かれてます。
だって、あんなに素晴らしかったトキオの10周年を見てしまったんだもん!ブイにも期待してしまうっていうの!(つい先日、人事異動でトキオのマネがブイマネになった、というお話を聞いたから余計に!)


話ズレた。とにかく、荒神!すごくよかった!面白かった!森田剛のポテンシャルの高さを今更ながらに見せ付けられた春の夜。




終わり。